Two over one – part8  (by Mike Lawrence)

 

敵がフォーシング・ノートランプを使いパートスコアでとまろうとしたあと、

バランスすること

 

バランシングについて話をするときに私が強調することのひとつに、敵にフィットがあるかどうかというのがある。

ルール:敵にフィットがあるなら、敵はそのコントラクトでプレーしたいだろう;もし無ければ、そのコントラクトでプレーしたくない。

つぎの手を見てみよう。

S:AK3、H:Q9653、D:K3、C:J87

2つの見方がある。まず、1Hでオープンし、パートナが2Hにレイズしたら、作ることができると思うだろう。作れないかもしれないが、第1印象は、2Hは良いコントラクトだということだ。

つぎのオークションと比べてみよう。1Hでオープンし、パートナはフォーシング・ノートランプをビッド。あなたは2Cをリビッド。パートナが2Hをビッド。あなたが2/1システムをしばらく使っているなら、このシーケンスは、みじめなシーケンスだとわかるだろう。あなたのパートナはおそらく弱い2枚ハートで、このコントラクトを作るのに不安を感じる。もし切り札が4−2の分かれなら、弱い切り札のために、数トリックのダウンとなるかもしれない。

 最初のオークションでは、パートナは、H:K1042を持っているかもしれない。2番目のオークションでは、H:84を持っているかもしれない。どっちが、いいですか。

 要するに、敵が直接2Hにレイズしたときは、敵が喜んでいるのを知っているので、積極的にリオープンすべきである。

 敵がプリファランス経由で2Hをビッドしたときは、おそらくみじめなコントラクトにいるのを知るべきで、敵にそこでプレーさせるべきである。同様に、フィット無しの他のオークションも繊細に扱われるべきである。

W:1H、N:P、E:1NT、S:P

W:2H、N:P、E:P  、S:?

 このオークションでは、1NTがフォーシングであろうとなかろうと、同じに扱われるべきである。自分の手を見て、カード次第でバランスすべきかどうか決めるべきである。このビッドでは、Wはうれしいとは思えないので、そうするのがはっきりしている場合のみ、バランスすべきである。

S:10763、H:4、D:A983、C:QJ83

良い形なので、ダブルしていい。パートナは、あなたに多くを期待すべきではない。

S:Q84、H:K94、D:KQ84、C:K104

パス。形が悪く、ハートのKは明らかに価値があるか疑問である。

 ルール:フィット無しオークションに対しては、バランスするのが正しいとわかっているときだけバランスしなさい。すこしでも疑問があるなら、多分パスするのが正しい。

率直に言うと、敵がフォーシング・ノートランプを経由したら、めったにバランスすることはない。絶対しないというのではなく、ただ十分気をつけてということである。

上記2つの例は、実戦からのものである。残念なことに、多くの人が、弱いが形の良い1番目の手で2Hをパスし、13点のバランス・ハンドである2番目の手で自信を持ってバランスした。

別のオークションを見てみよう。各オークションでのE―Wのフィット度合いをどう評価するか。

W:1H、N:P、E:1NT、S:P

W:2H、N:P、E:P  、S:?

6−1フィットかもしれない。先験的に、かれらがこのコントラクトが良いと思っている理由はない。

W:1H、N:P、E:1NT、S:P

W:2C、N:P、E:P  、S:?

かれらのクラブが良いフィットかどうか確かでない一方、確実なひとつの心配がある。Eは、おそらくハートがシングルトンで、あなたがビッドすると、敵はディフェンスを、2回のハート・ラフで始めるかもしれない。

W:1H、N:P、E:1NT、S:P

W:2H、N:P、E:2D 、S:P

W:P   N:?

フィットの度合いが謎なもうひとつのシーケンスである。敵はダイアモンドのコントラクトにわくわくしていないだろう。不運な日には、5−1フィットもある。