Two over one part4  (by Mike Lawrence)

 

せりあいでの1NTレスポンス

 

いつものように、せりあいのビッドはビッディング・システムに影響を与える。このことは、メジャのオープンのあとの1NTレスポンスのときに特に顕著である。つぎの2つのケースを知っておく必要がある。

ケース1

N:1HE:1SS:1NT

 右手の敵が1Sオーバーコールをして、あなたが1NTをビッドしたケース。この1NTはフォーシングではなくなる。インビテーショナルな手でフォーシング1NTを使って示そうとしていた手は、ネガティブ・ダブルや2の台の新しいスーツ・ビッドなど別のビッドで示すことができるようになる。1Sオーバーコールのあとの1NTレスポンスはフォーシングではないことが重要なポイントである。それは、昔からの、スペードにストッパのある良い7点から悪い10点の手を示す。スペードにストッパのある11か12点のノートランプ向きの手は、インビテーショナルの2NTをビッドすることができる。

例えば

S:Q873、H:104、D:AJ87、C:Q42

この手は、上記のシーケンスで、平均の1NTよりやや良い手であるが、

S:Q1074、H:J4、D:Q73、C:AQ108

この手は、2NTをビッドする。このビッドはフォーシングではない。JORDAN 2NTは、オーバーコールのあとでは適用できない。バランスした手でハートのフォーシング・レイズをしたいときは、2Sのキュービッドをする。

オーバーコールのあとでは、フォーシング・ノートランプはオフになることを忘れないように。

同様に、右手の敵のテークアウト・ダブルもビッディング・システムの意味を変える。

例えば、

N:1HE:DblS:1NT

 この1NTは、7から10点のノートランプ向きの手を示す。当然のことながら、このビッドはもはやフォーシングではない。

リダブルによって多くの良い手を示すことができるので、フォーシング・ノートランプは必要なくなる。テークアウト・ダブルが入らなければ使えなかった他の道具も使うことができる。

最後に、

N:1CE:1SS:1NT

 これは、記憶をよみがえらせるためのオークションです。フォーシング・ノートランプは、メジャ・スーツのオープンのあとにだけ使われるもので、マイナ・スーツのオープンのあとでは、敵のビッドが入る、入らないにかかわらずフォーシングではない。

ケース2

N:1HE:PS:1NTW:2C

 いつものように、あなたの1NTレスポンスはフォーシングである。Wの2Cのあと、Nはビッドしなければならないか。ビッドしなくてもよい。

Wがビッドしたとき、Sにはもう一度ビッドがまわってくることが保証された。Nはつまらない手のときはパスすることができる。Sは、強い手のときには、もう一度ビッドするだろう。Sの手が、つまらない6か7点の手なら、パスしても失うものは何もないだろう。

このことから、Nはビッドしたいときだけリビッドすることになる。何か示すに値するものがあるときだけビッドする。6枚スーツをリビッドしたり、理由があれば2の台で別のスーツをビッドしたり、4枚クラブがあればペナルティ・ダブルをかけたりできる。(ここでのダブルをテークアウトに使うひとがいるが、それはエキスパートのビッドで、あなたのパートナとは、話し合いせずにその意味でつかうべきではない。)

N:1HE:PS:1NTW:Dbl

 Wのダブルは、ペナルティではなくテークアウトである。(すくなくとも、テークアウトであるべきである。)Wがスーツをビッドしたときと同様に、Nはビッドする義務から解放される。ビッドしたいものがあるときはビッドできるが、ミニマムのバランス・ハンドでは、パスできるし、すべきである。Sがもう一度ビッドできることを忘れないで。

同じオークションで、Nがつぎの手をもっているときを考えよう。

S:73、H:AJ873、D:K3、C:AJ87

 2Cをビッドする。このビッドは、良い手を持っているとは言っていない。形を示しただけである。クラブを示す機会を逸したくない。

S:QJ7、H:KQ963、D:A4、C:J104

 Wがテークアウト・ダブルをビッドしなかったら、2Cをビッドしただろう。今はパスすることができる。ビッドする必要はない。

S:AJ83、H:K9873、D:2、C:KJ8

 どんなビッディング状況にも例外はつきものである。Nはここでパスすると、ミニマムのバランス・ハンドと思われるので嫌であるが、適当なビッドがなにもない。ダブルがはいらなかったら、2Cをビッドしただろう。しかし、ダブルのあとの2Cは4枚スーツになる。不可思議な瞬間である。